- 下駄
- 2014年06月23日
晴れ間が覗くと、あちらこちらで入道雲がモクモクと沸き上がります。
一年で一番日の沈むのが遅い季節は、一日がとても長く感じます。
昔の旅人にとっては朝は3時を回れば明るくなり、夕方は8時ごろまで明るい、そんなこの季節はとてもありがたかったのだと思います。
日本でもサマータイムの導入の話が出たりもしますが、もしそうなったらアフターファイブの過ごし方ががらりと変わる様な気がします。
明治維新以降西欧諸国と同じ「時」のカウントの仕方が日本に定着してゆきました。
それは、季節を問わず60秒、60分、12時間、24時間で1日、と時を刻む方法です。
しかし、江戸時代までは時間の長さは「季節の日の出と日の入り」の時間の間でいわゆる「刻」の時間の長さが違っていました。
例えば「子の刻」「丑の刻」「虎の刻」「兎の刻」「辰の刻」「巳の刻」・・・とあるのですが、季節によって、そのれぞれの「刻」の時間が長くなったり短くなったりしていた、という事です。
夏の昼間の間は「刻」と「刻」の間は長くなり、冬は反対に短く刻まれていた、という事です。
でも、そんな複雑な時の刻み方をするいわゆる「時計」はあったの?という事ですが、そこは物作りの国、ちゃんと精密な季節時計が制作されていたそうです。
さては江戸時代の天才発明家、平賀源内の発明なのかな?と思いましたが、そうではなさそうでした。
こういった「江戸からくり」の技術は岐阜の高山の山車のからくり人形に象徴される様に、日本の「物作り」の技の凄さを感じさせる物です。
それは現代の航空宇宙技術で多くの「日本の町工場の物作りの技術」がNASAや国際宇宙ステーションで使われている事を考えると、季節時計に象徴される様な、日本人の「自然を取り込む技術」の匠の技の凄さの伝統なのだな、と思います。
木曽路には、豊かな自然の森の恵み、「木工」を使った様々な手仕事の製品が沢山あります。
どれも一度手にして見ると、その技の完成度の高さに驚かされます。
木曽五木から作られる、様々な木工品に対して、江戸時代には江戸幕府から「木曽木工品の手形」が発行されていました。
そんな300年以上も前から作り続けられている「木曽路のお土産」は見るのも楽しいものです。
馬籠館では木曽五木のひとつ「ねずこ」から作られた下駄を取り扱っています。
梅雨の間に行なわれる神社の茅の輪くぐりのお祭りへ、浴衣を来てねずこ下駄をカランコロンと涼しげに履いてゆきませんか?



