- 乾物
- 2014年01月20日
恵那山に雪が掛かったと思ったら、あっというまに馬籠宿もみるみるうちにあたり一面雪景色に覆われてゆきました。
正月を過ぎ、雪が頻繁に降り始め、野菜が乏しくなるこの季節は、保存食でもある乾物や根菜が大活躍します。
食べ物を保存食にするのにはいくつかの方法があります。
切り干し大根に代表される「太陽に干す」方法。
一方でハーブ類のように、日に当てずにぶら下げて「風にあてて干す」方法。
寒天は「寒さにさらして凍らせてから乾かす」方法。
生の魚や肉は「煙でいぶす」方法。
その他、「塩漬け、蜂蜜や砂糖漬け、味噌漬け、ピータンの様に土で包む」数え上げたらいくつもあります。
また、主食になる米や蕎麦等の穀類、味付けの為のスパイス類の種、植物性のたんぱく質の豆等は、植物の種子その物を乾かして保存をし、翌年に土も戻せば、それから再び多くの実りを作る事もできます。
こうしてみると、日本の伝統的な食事は乾物等の保存食を多用した料理である事に気がつきます。
十分な野菜が年中店頭に並ぶ様になったのは、昭和40年代後半になってからでしょうか?
歴史という長いスパンでみると、それはつい最近の話です。
それまでは、冬場は春野菜が十分に育つまでは、生野菜は貴重な食材だったのです。
太陽に干した野菜は雪で曇りがちになった時に不足するビタミンを豊富に含みます。
そんな風に工夫して、つい最近まで冬の食を繋いでいたのですね。
冬の寒い日の一杯の蕎麦はそんな食の歴史も味わえます。
どうぞ、そば処まごめやでお召し上がり下さい