- もったいないとらんど
- 2013年11月08日
♪「街中にキャンドルがきらめく夜 石畳の坂の上から眺める景色が永遠ならいいのに・・・」
何だか今日(11月9日)から馬籠で開催される「あかり街道」の景色の様な歌詞ですが・・・ 実はこれ、きゃりーぱみゅぱみゅの最新ヒット曲の「もったいないとらんど」の歌詞なんです。
作詞作曲は中田ヤスヒロ。Pafumeの曲や自身ユニットのcapsule、ガールズバンドのScandalの曲のアレンジ等も手がけ数々の曲を国内外でヒットさせています。
うん???でも何で藤村ドキドキのコーナーに今時のクールジャパンの最先端の音楽の話がでてくるの?と、ここまで読んではてなと思った方も多い筈。
今日は今時のミュージシャンや作家、芸術家、アーティストの方と深い関係のある「著作権」のお話です。
現代の様々なジャンルのアーティストの方の主な収入源といえばこれ、この「著作権」です。
著作権は日本では日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理しているのですが、皆さん、なんと!島崎藤村がそのJASRACの「著作権」の第1号登録者だったという事をご存知でしたでしょうか?
現在島崎藤村の作品には既に著作権が終わっている作品、まだ著作権が残っている作品の両方があります。
例えば「初恋」は既に著作権が無くなり誰もが自由に利用できる、一方で「やしの実」は著作権が継続しているのでやしの実の歌詞や曲を利用する場合は許可や使用に対しての料金(ロイアルティー)を支払う事が必要になります。
明治時代以降、その新しい時代の風を受けて、藤村をはじめ数多くのアーティストの方々が「自己表現を生きる」という自由な生き方の選択をした、一方で、その生き方の代価として現在よりもずっと過酷で本当に命がけの「生き方という表現をする」という仕事をしていたのではないかと思います。
私は藤村記念館で藤村の足跡を辿りながら「もっと早く著作権という制度が始まっていたら藤村の人生はもっともっと大きく違っていたに違いない!」と深く思ってしまいました。
馬籠宿では夕方5時になると「やしの実」の曲が村内有線で流れます。
今日その曲が流れたらちょっぴりこの藤村ドキドキのコラムの事を思い出して下さいね!
コラムニスト:とざそし まき

