- 木曽街道膝栗毛
- 2014年03月26日
南からの暖かい雨脚が夕方には随分強くなっていました。
厚い雲に覆われると、まるでミストシャワーの中にいる様な感じです。
今日は馬籠宿のほとんどのお店は早じまい。
夕方の4時半ごろには、もう誰もいない春雨の馬籠宿でした。
春から夏の山間地は平野部に比べると雨の量が多いのですが、木で作られた昔ながらの家の中にいると、木がある程度自然に湿気の調整をしてくれるおかげで、少し火を入れるだけで、なかなか快適な空間になると思います。
そんな昔ながらの部屋で、今日は江戸時代のベストセラー?の本を紐解く時間がありました。
十辺舎一九の本です。
東海道中膝栗毛で当時の江戸の人々の暮らしや旅姿を生き生きと写実して一躍有名作家になった人物です。
その東海道中膝栗毛の続編として書かれた本があります。
それが、「木曽街道膝栗毛」という本です。
江戸時代に書かれたその美しい挿絵の入った版刷り本は、現代でもオークション等で取引されています。
その本の中では馬籠宿のひとつ手前の落合宿から馬籠峠までの旅の様子も描かれています。
現代語訳:奥原修(木曽郡木祖村)さんが現代語に訳された本の一部を読んでみました。
馬籠宿のひとつ手前の落合宿から贄川宿までを弥次さん喜太さんが、東海道膝栗毛で参ったお伊勢参りからの帰路の木曽路を行く様が、面白おかしく書かれています。
現代の旅行雑誌に書かれている木曽路の案内と合わせて旅行の前にお読みになると、江戸ロマン香る木曽路の魅力を更に感じて頂けると思います。
今日の様な日に、ゆっくりと江戸文学の名作を読んだ後は、雨の馬籠宿の家の軒先で春雨の去るのを待つ旅人の姿が目にうかぶ様です。