- 檜、ひのき、東濃ひのき、木曽檜
木曽路といえば「木」。そして「木曽檜」がその代表格です、
天然林材を漢字で「檜」、人工林材をひらがなの「ひのき」と書いて区別をしています。
木曽路、そして裏木曽街道を跨ぐ一体の森は日本有数のひのき材の産地として全国に知られています。
そして裏木曽街道に面した地域では「東濃ひのき」、木曽路上松町あたりの地域では「木曽檜」と区別される事もあります。
この名前の違い、ひらがなで書く、漢字で書く理由は先に書いた「天然林」と「人工林」を区別する、ブランド化する、という意味合いも含まれている様です。
いずれにせよ、冬寒く、荒い山肌で長い年月をかけてとてもゆっくりと成長するひのきは古くから建築材として用いられ、日本最古の木造建築物である法隆寺の五輪塔の心材や重要な建築物は全てひのき材で建てられています。
また、天然の防腐、殺菌作用を持ち、長い間ひのきの香りを楽しむ事ができる、木目が美しい等ひのきには優れた面が沢山ある事も知られています。
「東濃ひのき」はピンクがかった木質、「木曽谷のひのき」は白肌の木質、と言われる方もいらっしゃるのでその微妙な違いを是非皆さんのご自身の「目」で一度確かめて頂くのが良いかと思います。
また木曽檜の「年輪」の細かさも切断面を見て頂く事で驚かれる事と思います。
百聞は一見にしかず、ですね!
馬籠館の「そば処まごめや」の店内は総ひのき作りの店舗になっています。
お食事の際には「木曽檜」の話題も交えて会話をお楽しみ頂ければと思います。
余談ですが、坂本龍一さんの運営となる「more Trees」(社団法人 モア・トウリーズ)ではこの地域の「森」とのコラボレーションが沢山行われています。
江戸時代に尾張徳川藩によって取られた「留山」「巣山」等の森林保全政策によって、一時は完全に荒廃した荒れ山から数百年後の現代には見事な美林となり受け継がれたその「森の遺産」をどうぞ木曽路旅の際に楽しんで頂ければと思います。