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藤村ドキドキ コラム

生誕祭
2015年02月23日
旧暦2月17日は藤村の誕生日。 馬籠宿では藤村記念館主催で、また藤村のゆかりのある場所でそれぞれの「藤村の生誕祭」が毎年開催されています。   「生まれる」事は自分で「どこの誰々の家に生まれる」と意識して選ぶ事が出来ない事のひとつですが、「生まれる」と同時にその生まれた「家族」という集団のメンバーのひとりに否応なしになります。 「生まれた私」を中心にしてその家族を見渡してみると「両親」や「兄弟」そして祖父母や親戚といった面々、そして成長すればまた自分が親になり「自分の家族」という新しい集団を型作ってゆきます。   そう思って見ると「誕生日」というのは自分だけでなく、「家族」にとってもとびっきりの記念日なのだと思います。 まだ昭和の時代には(と、書くと歳がバレますが・・・)家族の誰かの誕生日には座敷に大きな座卓をひっぱり出して、そこに沢山のご馳走を家で作って並べて沢山の人といっしょにわいわいとお祝いをしたものです。 今時はお母さんが会社の部長なので重要会議・・・お父さんは単身赴任で東京・・・お兄ちゃんは海外留学中・・なので私は友達と有名スイーツのお店でプチパーティー・・親戚?うーん、ここ何年も顔を見ていない・・という時代になってしまったので、「生まれる」=「家族のチームの一員になる」という意識は無くなりつつあるのかも知れません。   藤村が生まれた明治初期はまだ「家族という血の繋がり」が社会的機能構造にとても重要な意味や役割を果たしていた時代であったと思います。 その様な時代に生まれた藤村は「詩人」「小説家」という「男だが外に仕事に働きに行かず、家で仕事をする」という当時では少しよそ様の家とは違う「息子」になり、そして家族を持った後は「父親」となりました。 其れ故に「家族」という自由人にとっては重くもありながらも楽しみな時を過ごし、多くの「家族」を題材にした作品を執筆する事となったのだと思います。   2015年の時代になり藤村が生きていた頃の家族についての様々な話しを読むとき「あ〜こういった事は今でも変わらないから、これから先もずっとあるよね」とか「え〜!今じゃありえない、ナイナイ」といった事を思いながら読む事になります。 「分配」という藤村の作品は「藤村の親心や当時の家族の様子」があれこれ書きつづられています。   子供達が親元を離れて暮らし始めるこの季節に「生誕」から「進学独立」という形で巣立ってゆく若人や、「辞令」で家族の元を離れる親御さんが「家族って何?」と思った時にさらりと読める短編です。 新天地に向かう移動の電車や飛行機の中でタブレット片手にネットで青空文庫を開いてお読み頂くのにちょうど良い長さの文章だと思います。 コラムニスト:とざそし まき P1030726                

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